2005年10月

2005年10月28日

26日。慶應義塾大学・日吉キャンパスの来往舎イベントテラスで、黒沢美香&ダンサーズの「jazzzzzz-dance」公演を観に行きました。会場には先日シアタートラムでご一緒したBABY-Qの東野祥子さん、山本泰輔さん、佐々木健ニ郎さん、制作の清水さんの姿も見える。開演前に今回の公演の進行役である舞踊評論家の石井達朗さん(石井さんは慶應の理工学部教授でもある)、演劇・舞踊ジャーナリストの堤広志さんらと少しお話しする。お客さんがたくさん入って石井さんも嬉しそう。また、三宅流さんの16mm映画「白日」に出演されていたARICAの安藤朋子さんともお会いする(UPLINK FACTOYRで上映された「白日」のイベントで、安藤さんとコントラバスの猿山修さんとのパフォーマンスは印象に残っています)。先日、エジプトのカイロで公演したそうです。安藤さんはいつも自然体で笑顔を絶やさないとても素敵な方。来年2月に黒沢美香さんと共演されます。

作品「jazzzzzz-dance」は1992年に初演をされて、今回で何度目かの再演。稽古場にあるリズムボックスから使った単純なリズムがはじめからほぼ終わりまで鳴り続き、ダンサーははじめから終わりまで踊り続ける。あの時代にはとても面白かったのだろうな~と感じ楽しめました。いろいろと解体され再構築されていると思いますが、やはり再演は難しいです。公演後に黒沢さんとお話ししましたが、11月中旬に東京都写真美術館で公演する新しい作品を観て欲しいと言われる。

本公演には「jazzzzzz-dance」の原形になった作品「偶然の果実」(1990年)から踊っているメンバーが4人(そのメンバーの一人吉福敦子さんは作曲家の生形三郎さんとユニットを組んで活動していて、先日、私も銀座のPepper's Galleryで観させていただきました)。ずっと踊り続けるのは大変なことだと思う。作品の途中で若手のダンサー3人が空気を変えるダンスを魅せる。加藤若菜さんの凛とした空気感がとても印象に残りました。3人はピンクというグループを結成して精力的に活動していらっしゃいます。11月9日BankART Cafe Live Series「横浜ダンス界隈#2」(以前、私が大野一雄展で坂田守さんと共演したイベントの第2弾です)に出演されます。今後の活躍が楽しみです。

公演後に石井さんといろいろお話ししましたが、11月25~27日新国立劇場の森山開次さんとの作品を楽しみにしていると…明日はリハーサル。音を磨いていい作品にします。

来往舎イベントテラス。天井が高く、ガラス張りの空間(上段はガラスが張っていなく風が吹き込む)。とても面白いスペースでここで音を奏でたいと思いました。このガラスを見ると、先日、Taguchiでサウンドチェックした61cmスーパーウーファーで震わせたくなる。一定に声を出すとヴィブラートがかかるほどの音響エネルギー。もう音ではないと思う。早く舞台で使いたいです。11月の新国立劇場にも導入できたら、面白い空気感をつくることができると感じています。実現したいです。

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2005年10月25日

10月22日。渋谷観世能楽堂に「第六回 岡田麗史の会」を観に行きました(今回で3回目)。書家の小宮求茜さんのお誘いです(小宮さんには森山開次さんとの作品「弱法師」「OKINA」「sound+dance+visual vol.3」を観ていただいています)。

狂言は「二人大名」で、野村万作・野村萬斎の贅沢な親子共演。肩の力を抜いて楽しませていただきました。能は「砧」。岡田麗史さんが姿を現すと気の流れが止まる。能面をつけた顔を少し動かすだけで、凍りつくような恨めしい顔やどうしようもなく哀しい顔になるのに心動かされる。シンプルな動き、シンプルな面の表情だからこそ想像力をかきたてられる。余計なものを削った舞台は美しく、そして、静かで力強いと実感する。とても有意義な時間を過ごす。

公演後にUPLINKで12月16日(金)に公演する「art live - sound+dance+visual vol.6」の打合せを、アートディレクションの三浦秀彦さんと、UPLINKの鎌田さんとする。楽しみにしていて下さい。

10月23日。先日、N.YとパリでBABY-Qの「ALARM!」公演を終え、帰国された東野祥子さんと今後の構想について話す。とてもいい顔をしていてその充実ぶりを感じる。BABY-Qの新作はじっくり時間をかけてつくるそうで、東野祥子としてソロでの活動もどんどんしていくそうです。今後、project suaraの作品「art live - sound+dance+visual」や、私の音+東野さんの踊りだけのシンプルな作品などもご一緒できたら嬉しいです。ご期待下さい。

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2005年10月19日

17日。戸塚にあるTaguchiの事務所に、先日、完成したP61-46スーパーウーファー(60cm=正確には61cmのユニット)のサウンドチェックに行きました。メインスピーカーCMX1318+P61-46の音響システムで音を奏でました。

Taguchiの田口さん、ローリング・ストーンズなど多くの海外アーティストや、最近では愛知万博で富田勲さんの音響を担当したヒビノの宮本さん、先日、京都にBABY-Qのソロ公演を観に来てくれたグラフィカル・サウンドの重信さん、PCOCCケーブル(私も使用しているケーブルで、まったく癖が無く、非常にスピード感があり、解像度もとても高い)やシンプルなアンプ(suaraスタジオでも一時期使わせていただきましたが、装飾のない自然な響きは音そのものの空気感を感じました)を開発し、制作されているBJ electricの石河さんというそうそうたるメンバーでセッティングをしていただき、とても贅沢な環境で音を奏でることができ、時間が経つのを忘れてしまいました。このような機会を与えていただき感謝しています。

私の音を61cmのウーファーで奏でると、稲光や地鳴りを体感して、これはいったい音なのか?スピーカーから発せられている音響エネルギーなのか?そこにスピーカーがあることを忘れてしまいました。そして、空気の波動を肌で感じることができました。いますぐにでも舞台芸術作品に導入したいです(来年3月横浜美術館でのproject suara主催公演の前に、11月新国立劇場で公演する森山開次さんとの作品にも使いたい)。田口さん素晴らしい開発をありがとうございます!これを体験したら他のウーファーでは満足できないかもしれません。ほんとうに凄い領域にきました。

今回は阪本剛二郎さんも参加したのですが、阪本さんはオリジナルのギター専用スピーカーを制作していただくそうです。田口さんは11月に20cm、25cmユニットでフルレンジスピーカーを開発するそうなので、スピードとエネルギーを求める阪本さんの音とは相性がいいと思っています。こちらのスピーカーも楽しみです。

サウンドチェック後に、田口さんと宮本さん、そして、重信さんで今後の構想を何時間も話し合い、とても有意義な時間を過ごすことができました。皆さんが日々、音を追求されている姿勢に感銘を受け、私ももっと学び音を磨かなくてはと痛感しました。今後の展開を実りあるものにしていきたいです。

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2005年10月16日

13日。12月16日UPLINK FACTORYで公演が決まった「art live - sound+dance+visual vol.6」の作品構成について、さとうじゅんことアートディレクションの三浦秀彦さんと打合せ。音・ダンス・美術の構成が図形楽譜となって構築されていく。「vol.6」からはこれまでのセッション的なパフォーマンスを脱却し、project suaraの作品として、音響空間と演奏者の身体性(ダンサーだけでなく)や映像、オブジェ、ひかりの持つ言語との関係に、より抽象的な文脈を見出したステージドコンサート形式に取り組みます。8月横浜のSTスポットで、私とさとうじゅんこが舞台に立ち公演した作品「HM」が出発点になりました。去年11月27-28日BanART 1929 馬車道で公演した「vol.5」から1年以上も経ちましたが、着々と準備をしていました。セッション的なパフォーマンスで分散していたエネルギーを集約して、ひとつの力強い作品として公演します。楽しみにしていて下さい。

16日。「art live - sound+dance+visual vol.6」に出演を予定していたボヴェ太郎さんと打合せ。ボヴェさんのガムラングループ・ランバンサリとの作品、過去の公演を収録したDVDを拝見して、今回の作品にボヴェさんの空気感が欲しいと思っていました。ボヴェさんには私の音をCD(最近の楽曲を集めたもの)で、京都での東野祥子さんとの公演を観ていただいていました。それぞれの作品に対する姿勢や目指すビジョンを交わす。とてもいい感じ。「vol.6」の作品コンセプト、今後の展開なども話し、面白いと感じていただけたようです。「vol.6」にボヴェ太郎さんの出演が決まりました。嬉しいです。ダンサーはあと一人予定していますが、いま海外公演中なので帰国後に決定したいと思っています。正式に決まりましたらご報告します。お楽しみに…。

ボヴェさんとの打合せ後に山本麻紗子さんと打合せ。山本さんには今年3月BankART 1929 Yokohamaで公演した能美健志&ダンステアトロン21の作品「四季」(私が音楽で、さとうじゅんこがヴォイスで参加)で、舞台監督助手として参加していただきましたが、今後、project suaraの制作等でさらに深く関わっていただきたいとお願いしました。山本さんはデザイン会社の企画・プロデュースのお仕事をしながら、ダンスカンパニーの広報としても精力的に活動されている方でお忙しいのですが、少しずつご一緒していただけることになりました。いつも笑顔を絶やさない目には力があります…とても心強い(セッション的なパフォーマンスの脱却は山本さんの言葉がきっかけにもなりました)。一緒に楽しみながらお仕事をしていきたいと思います。

12月16日(金)。UPLINK FACTORYでの「art live - sound+dance+visual vol.6」をよろしくお願い致します。

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2005年10月12日

先日、Taguchiの田口和典さんからP61-46スーパーウーファーが完成したと連絡がありました。60cmの超大型ウーファーです!これまでTaguchiの38cmと46cmのウーファーを同時にプラニングしたシステムで、音を奏でたことはありましたが…60cmです(先日の世田谷シアタートラムと青山スパイラルホールでは38cmのウーファーを4本プラニングしました)。いったいどんな体験ができるのでしょうか?

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田口さんからスピーカーの構造について教えていただきました。前側に60cm+背後に46cmウーファーを配置したプッシュプル(タンデム)ドライブ方式とアクティブチューニングポート方式の併用で、ユニットの最低共振周波数(f0)以下の低歪み・高能率低域再生を可能。後方のユニットが積極的に前側のユニットの背圧をコントロールしてコーン紙にストレスをかけない理想的なドライブ環境を造りだしているので、前側のユニットは軽々と動く。従来のバスレフ方式やバンドパス方式等では(f0)以下の再生は不可能(ブーストするとこもったり前へ出なかったりで挙句は歪んで飛んでしまった)。

以前、田口さんが私の公演で音を聴いた時に、より豊かな音場表現を必要とされる現代アートシーンには、例えば地鳴りや雷鳴の数Hzからの低音域再現や可聴周波数(20khz)を超えた極高周波まで…ワイドレンジに再現可能なサウンドシステムが必要だと感じていただき、このP61-46スーパーウーファーを開発してくれたそうです。感激です!!!

メインスピーカーCMX1318(使用ユニット数:ATA4025-TWEETER×72個+LX131A-WOOFER×18個/世田谷シアタートラムと青山スパイラルホールで使用)との組み合わせでは、P61-46は大口径・重量級ウーファーの割に軽々と鳴る(レスポンスが速い!能率が高い!歪み感がしない!有効振動面積が広いのでキック等の初動アタックの風圧が凄い!EQへの追随が良い!)ので10Hzから50KHzまで再生可能だそうです。

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早くCMX1318とP61-46をプラニングした音響システムで音を奏でたいです。来年3月に横浜美術館・グランドギャラリーで予定している「art live - sound+dance+visual」公演で実現できれば嬉しいです。また野外での公演も体感したいです。皆さんも楽しみに待っていて下さい。

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