2006年03月

2006年03月29日

25日。「セクエンツィア~さひづる庭」公演を無事終えることができました。年度末最後の週末とあって、各地で多くの催しものが行われていましたが、たくさんのご来場ありがとうございました。至らぬ点、改善点は多々ありますが、今後も皆さんにご指導いただき、少しずつ成長していきたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願い致します。

ゲネプロの出来で、本番はいったいどうなることかと心配していましたが(私の音が大きな問題でしたが…)、この日に、それぞれがモチベーションを高めて、せめぎ合うことができ、強度のある作品になりました。また、間口を広げるための挑戦ができ、次に繋げる公演になったと思っています。前日には他の出演者の方に電話でご迷惑おかけしましたが、個人個人と話したことでいろんなことがスッキリしました。あらためて、コミュニケーションの大切さを痛感しました。この出会いに感謝します。

本番での音は、残響7秒(本来はこの残響で音を奏でるものではない)との戦いでした。ある一定の音量を超えると、いくら繊細にテクスチャを感じさせるボリュームを書き込んでも、まったくその質感を感じことができない。引き算をして、《間》を大切に再構築しました。ライヴパフォーマンスでも、ボリュームを上げすぎないよう、ピークに持っていくまで、慎重に音を調整しながら奏でました。舞台後ろに仕込んだ、20面体平面波スピーカーでは、細かいボリューム演奏で、深い立体音響空間をつくることができました。磯野さんとアイコンタクトをしながらの演奏は、ビジョンを共有しながらも、せめぎ合う、理想的な関係を築けています。ほんとうに楽しい。今日は稲荷森さんと中原さんという強力なメンバーも来てくれました。また、大島さんや黒田さん、岩沢さんの姿も見える。そして、田口さん、ヒビノの宮本さんも駆けつけてくれた。心強い。

森山さんの身体から音が奏でられている感覚を味わう。東野さんの徹底した動きは美しく力強かった。さとうじゅんこの存在は、「さひづる庭」そのものだった。さとうが降り立った時、後ろから大きな何かが降りて来るのが伝わった。弦の音を奏で、さとうじゅんこのヴォイスはグランドギャラリーに自然に響きわたる。その空気感は、磯野さんがマイクを仕込んでつくりあげた。見事でした。

兼古さんの映像はゲネプロとまったく変わっていた。兼古さんを踊らすリズムを奏でた。空間を捉えるだけではなく、静かに作品を語っていた。高橋さんの映像と私の音のせめぎ合いは、ゲネプロ以上の力を持って、その匂いを放っていた。高橋さんとの共演は、今後の作品つくりに大きく影響するでしょう。間口を広げる一歩になると確信しました。今後の展開が楽しみです。川口さんの照明は、閉館後の美術館を感じさせ、とてもシンプルで力強かった。その世界観を守りながらも、しっかりメリハリのある明かりには驚かされました。

小林さんと甲斐さんの衣裳は、ゲネプロ後に感じたそれとはまったく変わっていた。やはり音が原因だったのだと感じる。要素がたくさんある空間に負けない、斬新的なデザインは、光を放っていました。この衣裳美術がなければ、この作品は成り立たなかった。おふたりの手を抜かない姿勢に大いに学ばされました。最後に出演が決まった、石田さんのヘアメイクも、しっかり作品を感じて、3人を舞台に立たせてくれた。紹介してくださった能美健志さんに感謝いたします。

そして、アートディレクションの三浦さん。すべてを静かに見守り、そして、最後にすべてを決断してくれた。今回のフライヤー、プレスリリース、HPの特設ページ、プログラム、美術と大活躍でした。三浦さんの強い意志は、私に未知の力を与えてくれました。最後の最後で、舞台手前の照明をつくって来てくれました。この色です。感動しました。下記はプログラムに掲載された三浦さんの文章です。

「これは、聴覚を中心とした感覚器の再調律の試みである。真に創作された事物に触れるとき、反作用として観る者、聴く者の新たな知覚が創造される。そのことを意識すべきである。現実感のない情報の消費や単なる娯楽には、このような作用はない。「セクエンツッア」とはラテン語の「続く」という意味である"Sequens"に由来し、「続唱」と訳される。出来事が生じては消えてゆく一連のシークエンスは、「音」によって進行する。音色や音程の構成ではなく、音のテクスチュアの変化、空気の肌理と振動によって時間は、触覚的な現実感と強度を得る。その空間体験は、物体の表面を手で撫で状態を確認する時の手探りな感覚に似ている。その中に感じられる「予兆」と「残像」は特別な意味を持つ。閉館後の美術館という現実の文脈を作品の内部に取り込み、昼の姿の陰画として、暗く曖昧な空間に、時には鮮明な表象が表れる。 記憶の断片がコラージュされ、ある必然によって生み出される夢、または 眠りと覚醒のあいだにある夢想のように。また、物理的空間としてあるギャラリーの段々の 地形と、時間の中にある音のテクスチュアの地形。この2つの「地形」が出来事をつくる基盤となっている。地形は、「庭」と言い換えることができ、その「庭」は、自己を投影する「間」であり、可能性を展開するための守られた有限な空間/時間である。場の体験を介して、能動的に感覚や直観が開く感触を自覚し、潜在する生を感じ取れればと思う。」

また、今回はスタッフが素晴らしかったです。一人一人の存在がとても心強かったです。これまでにはないほど、条件的には厳しかった受付窓口業務、会場整備をスムーズに進めていただき、開演時間を守れたこと、いまだに信じられません。舞台監督の橋本さんをはじめ、スタッフの皆さんのパワーを感じて、作品に集中させていただきました。心から感謝しています。また、音楽家の生形三郎さんにもお手伝いしていただきました。ありがとうございました。そして、近くて遠いロンドンから、見守り協力してくれた映像作家のmichiさんに心から感謝します(凱旋公演をしましょう!)。

本公演を三宅流さん、甲斐さんにビデオ撮影をしていただきました。また、minaさん、中村さん、北村さんに写真を撮っていただきましたので、後日、project suaraのHPにUPさせていただきます。楽しみにして下さい。

横浜美術館で公演が実現したのは、1年前に、横浜市文化芸術都市創造事業本部の鬼木さんから、「グランドギャラリーで、種子田さんの音作品を聴いてみたい」という一言からはじまりました。この機会を与えていただき感謝しています。鬼木さんから感想が届きましたので掲載させていただきます。いつも素敵な感想に心動かされています。

「美術館の空間を使うという大変なプロジェクトを、見事に成し遂げたことに、まず敬意を表したいと思います。普段使わない場所で行うことは、それだけでも意味があることです。特に彫刻作品などが展示されている場所は、もともと何かの力を持っている場所と思います。その隠れた力を、今回の公演では引き出してくださったのだと思えました。徐々に蓄積していく音響により、緊張感を増していく空間は、何かが生まれ出る予感がしました。あたかも彫刻作品が動き出したような森山さん。昼間は見られる一方の凍った作品が羽根を伸ばす瞬間であるかのように、多くの視線によりこわばった体を、内部が溶けるように解きほぐしていきました。さとうさんのボイスは生声(と聞こえました)が、電子音の手前で生きている音が空間に広がっていました。生命感が満ちた瞬間だったと思います。あたかも美術館の精であるかのような東野さんの姿は、消え入るような光の中で、手が届かないうちに遠くの空間へ入ってしまいました。彼女が、視線と気持ちを、奥へ奥へと誘っていったと思いました。空間を大きく使った映像も、単なるスクリーンに映すのとは全く異なった作品となっていたと思います。空気の流れが見えると思えるほど、ダイナミックな作品でした。美術館というのは、アートの力が堆積している空間です。絵や彫刻をつくったアーティストの思いが作品から吹き出しているのかもしれません。また、アート作品に触れた人々の感情も、その空間に止まっているのかもしません。今回の公演では、普段動きのない静かな美術館が、実は、様々な思いがつまった熱の固まりのような、うねりと響きに満ちた場所であるのかもしれないということを、見せてくれたように思います。その意味では、ダンスや音楽が、静止したものが、絵画であり、彫刻である、絵画や彫刻が、動きだしたものが、ダンスや音楽である、と言う、芸術のあり方への鋭い視線がありました。最後のシーンは、屋根を開いてから後、もう少し、終わりをはっきりできると、拍手しやすかったとは思いますが。また、次回、どのような場所を、どのように変えてくれるのか、大変楽しみです。場所の使い勝手も含めて、ご苦労が多かったと思いますが、改めてチャレンジしていただければと思います。」

また、公演後に多くの方とお話しできました。サキソフォン奏者の坂田明さんが「最初から最後まで気が抜けなかった。演出がいい。音が面白い!」とがっちり握手してくれました。素直に嬉しかったです。今後、一緒に何かできれば嬉しいです。甲斐さやかさんのお友達のYAS-KAZさんも駆けつけてくれましたが、公演後の到着で残念でした。YAS-KAZはジャワのガムランを演奏されていて、今後、繋がっていけると思っています。ダンサーで振付家の香瑠鼓さんともたくさんお話しできました。私の音の在り方に興味を持っていただき、ご一緒しましょうと盛り上がりました。楽しみです。能美さんは声を震わせて「よかった」と言ってくれた。能美さんの言葉は熱く真っ直ぐ。嬉しい。

他に、ウィ・ディストリビューターの山崎さん、音楽家のmjucさん、マカバベットの宮部さんの姿も見えた。音楽家の宮木朝子さん、映像作家のLudovic Xasderaさん、舞踏家の伊藤虹さん、世田谷美術館の塚田さん、現在、さとうじゅんこの衣裳をデザインしている川口知美さん、芸大のガムランクラブでご一緒していた後藤さんとその妹さん、BABY-Qのダンサー佐々木さんなどとお話しできました。もう何年も前に発売した、私の2rdアルバムを持っているという方ともお話しができました。これはほんとうに嬉しかった(早く3枚目を出さなくては…)。そして、父と母にも観てもらえました。多くの方に観ていただけてほんとうに嬉しかったです。ただ、1回公演なので、予定が合わなかった人がたくさんいました。今後は2回公演も考えていきたいと思っています。お話しできなかった方、お会い出来なかった方ごめんなさい。メール等でご連絡ください。感想などお聞かせいただければ嬉しいです。

今回は、PROSOUNDや、Sound&Rcordingの方にも体感していただき、今後、掲載を予定しています。また、お知らせしていただきます。私とTaguchiの共同での音場創成を、いろいろな方に知って、感じていただきたいと思っています。楽しみにしていて下さい。

次回、「sound+dance+visual」は、「art live」から「live installation」に名を変え、7月16日(日)15:00より、渋谷のUPLINK FACTORYで公演します。少しずつ進歩し、新しい展開を見せていきたいと思っています。後日、詳細をお知らせさせていただきます。今後もproject suaraをどうぞよろしくお願い致します。このたびはほんとうにありがとうございました。

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2006年03月24日

23日。横浜美術館グランドギャラリー会場入り。art live - sound+dance+visual vol.7「セクエンツィア~さひづる庭」公演の、機材搬入、セッティング、リハーサル、ゲネプロを行いました。午前中に音響システムのセッティングが終わり、さっそく磯野さんとサウンドチェック。高域の音粒で、天井から音を降らすために、Taguchiの中原さんや牟田口さんに平面波スピーカーの位置をいろいろ試していただく。なかなか思い通りの音場がつくれない。しばらく音を奏でていると音が消えてしまう。とても小さく聴こえる高域の音粒は、実際にはとてもパワーのある音で、スピーカーは熱くなり少し危険な感じ。アンプで制御がかかる。これでは持たないと、磯野さんが弓状の強力な平面波に変えてくれる。スピーカーの位置も変更して、客席の後ろに置き、斜めに傾けて天井に音響エネルギーを放出する。客席に降り注ぐ音つくりができる。

メンスピーカーのCMX-1318(ATA4025-TWEETER×72個、LX131A-WOOFER×18個)で舞台の中段から客席に向かって音を奏でる。ラインアレー(無指向)のスピーカーはどこまでも音が減衰しないで届く。その距離が遠ければ遠いほど力を発揮する。また高さが2mもあり、大きなスペースをカバーすることができる。とても素晴らしいスピーカー。そして、世界初、61cm+46cmプッシュプル・ドライブ構造の、大口径・重量級P61-46スーパーウーファーをテスト。舞台側と舞台反対側にそれぞれ1台配置することで、これだけ大きな空間でもしっかり体感できる音つくり。これで音を奏でると、これまでの38cm、46cmのユニットでは物足りなくなる。贅沢です。次は舞台後ろにセッティングした20面体スピーカーで奏でる。途中、Taguchiの田口さんに、できたてほやほやの、20面体平面波スピーカーを持って来ていただける。これまでのユニットの何倍も自然な放射拡散性を感じる。これは凄い。後ろに一台置くだけで奥行きのある深い音を奏でることができる(田口さんに感謝します!)。少しずつ決まっていく音場を感じて、テンションも上がっていく。とても楽しい。

映像、照明もほぼセッティングが終わり、音を奏でながら、映像、照明、踊りを確める。今回は舞台上で演奏するのですが、ほとんど音場を感じることができず、頭を抱える。音を奏でながらどんどん編集していくが少しパニック状態。しばし無言になり皆に迷惑をかける。一時中断。磯野さんにご相談。「大丈夫。下ではしっかり音を感じる。何も心配していない。」と断言してくれる。少し気持ちが落ち着き、私も下で音を奏でることにする。やはり音を感じて、舞台全体を観ることができなくては駄目だ。磯野さんの隣で奏でることに…音を感じることができた。やはり磯野さんと並んで、ふたりで音を奏でないといけないと痛感する。

音をはじめから終わりまで通しながら、映像、照明、踊りを通す。この空間ではじめての通し、それぞれが確めながらの場当たりで、イメージを掴んでいく。音をしっかり捉えることができ、やはり下で演奏することにしてよかった。私の音と高橋さんの映像がぶつかり未知のものを生む。少し興奮。マイクで拾った兼古さんのプリズムの音は思ったほど面白くない。検討が必要。照明、踊りもまだまだこれからです。長め休憩を挟む。磯野さんが珈琲を飲もうと外に連れ出してくれる。外の空気を吸って気持ちもリフレッシュ。珈琲の香りが集中力を高める。磯野さんの心遣いが嬉しい。

ゲネプロ。ビデオ撮影の三宅流さん、写真撮影のminaさんが来てくれて、気持ちも高まる。皆が探りながらのパフォーマンスであっという間に終る。それぞれが強度のないパフォーマンス…心乱れる。ここにはたくさんの要素があり、すべてがこのスペースに負けている。構成が壊れる。音も7秒という残響で、まったく質感を感じることができず、再構築に迫られる。グランドギャラリー、とてもとても難しい空間だと実感する。皆が焦っているのを感じる。本番は25日。一日調整する時間がある。一日あることで救われた。さとうじゅんこのヴォイス、兼古さんの映像のシーンは新たに音をつくることに…身体で感じた残響に負けない音を磨く。明日は集中しなくてはいけない。間に合うのか…。

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2006年03月21日

20日。アサヒビール芸術賞の表彰式に行って来ました。今回、お世話になっているBankART1929も受賞されました。レセプションで、BankARTの溝端さんにいろいろな方をご紹介していただきました。高知県立美術館、福岡アジア美術館、伊丹市文化振興財団、ドイツ文化センター(東京・大阪)、芸大の熊倉氏、楽の会の清水氏、舞踊評論のうらわまこと氏、クリエイティブユニットのgrafに「art live - sound+dance+visual vol.7」のプレスリリースをお渡しできました。近い将来、全国の美術館・博物館巡業公演を実現したいと思います。また、イデビアンクルーの井手さんともお話しできました。project suaraの音の在り方にとても興味を持ってくれました。横浜美術館での公演もアサヒビールにご協力をいただいているのですが、これらの支援はとても心強い。いい公演をしたいと思います。

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2006年03月18日

17日。下北沢のスタジオ・ルゥで、「セクツェンティア~さひづる庭」の森山開次さんの衣裳合わせ。小林和史さん、甲斐さやかさんの渾身の作品。当初、私がイメージしていたものとは、まったく異なる衣裳が出来上がりました。おふたりの挑戦に応えたいと思います。森山さんがおそらく身につけたことがない斬新なデザイン。横浜美術館の巨大で要素が多い空間を考えての衣裳。あのスペースで、これを身に纏った森山開次さんを早く観たいと思います。衣裳合わせの後、ヘアメイクで参加していただく、石田弥仙さんも加わり打合せ。皆さんの高いモチベーションに心が躍る。力を抜かない姿勢は何よりも嬉しい。私も集中したい。

打合せ後に、さとうじゅんこが出演する、「太古の音とひとあし先の夢をつなぐ現実の音ライブ」を聴きに行く。乃木坂にあるライブハウス凛。音が美しく響くよう設計された木のぬくもりを感じる素敵なスペース。満員のお客さんで埋まる。さとうじゅんこは歌とガムランを演奏する。他のメンバーは、胡弓と三味線の山尾麻耶さん、サックスの樅山智子さん、ガムランのスミヤントさん、ジャワ舞踊の根津亜矢子です。この時期に、心あたたまる楽しい一時を味わう。さとうじゅんこの沖縄民謡の歌声で会場の空気感が一瞬のうちに動いた。歌は強い。歌は静かに心に響く。ジャズのサキソフォン奏者・坂田明さんも聴きに来ていました。私はいつもの調子で、3月25日の公演を観に来て下さいとフライヤーをお渡しする。ライブの帰り道に、歌い手のさかいれいしうさんに突然連絡して、3人で深夜のお食事。歌はいいね…と話しは弾む。第22回<東京の夏>音楽祭 live installation - sound+dance+visual vol.8 「青い月」公演で、トリオで何か出来れば嬉しいです。

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2006年03月16日

13日。3回目の閉館後の横浜美術館視察に行きました。本日は、アートディレクションの三浦秀彦さん、音響デザインのTaguchiの磯野順一さん、映像作家の兼古昭彦さん、舞台監督の橋本俊行さんが参加。横浜美術館の土田さんと細かい打合せをして、舞台監督の橋本さんとバトンタッチ。橋本さんには安心してすべてを託せる。会場でのリハーサル、本番は作品に集中できそうです。感謝です。

磯野さんが歩き回って音場を感じている。その姿はいつも頼もしく心強い。何を感じ何を奏でたいのか…磯野さんとは暗黙の了解がある。そして、お互い戦っている。音響プランが大幅に変わりました。舞台上段よりにCMX-1318(ATA4025-TWEETER×72個、LX131A-WOOFER×18個)を2台、世界初、61cm+46cmプッシュプル・ドライブ構造の、大口径・重量級P61-46スーパーウーファーを舞台側と舞台反対側にそれぞれ1台。グランドギャラリーの空気感が吸い込まれるスペースに、弓状の超指向性・平面波スピーカーをセッティングし、音響エネルギーを、下から壁ぶつけて反射させ天井に飛ばし、天井からお客さんのいるスペースに、音を降り注ぎます。天から音が降ってくるイメージです。考えただけでもゾクゾクします。

また、会場の空気感をマイクで取り込んで音を奏でるのですが、舞台と反対側に、自然な放射拡散性に優れた、20面体スピーカーをセッティングしていただくことになりました。さらに、磯野さんが強力なツイッターを使いたいと言ってくれました。人間の聴覚では聴こえない高域をもカバーするスピーカーだそうです。音は聴こえないのですが、感じることができます。聴こえない音を奏でることで、空気感を伝えることができます。私も早く体感したい。音で巨大なグランドギャラリーをやさしく静かに力強く包み震わせたいと思います。

兼古さんは手づくりセンサーで、プリズムを操り絵を左右上下に動かしながら投影のチェック。とても楽しそう。磯野さんも大喜びで遊んでいる。兼古さんのダンスも見物です。さて、アートディレクションの三浦さんは何を企んでいるのか?本番が待ち遠しいです。

15日。suaraスタジオに、兼古さんが例のセンサーとプリズムを持参して来る。私のMacにプリズムの奏でるモーター音をコンデンサーマイクで取り込む。真空管のプリアンプを通して、リアルな音を生み出す。とても存在感のある音が響きわたる。センサーでの演奏(?)もコツがわかってきて楽しい。さとうじゅんこは自在に演奏する。次はコンデンサーマイクからコンタクトマイクに取り替えて取り込む。プリズムは生き物のような低域を奏でる。とても面白い音が収録できました。兼古さんはプリズムをどう操るのか、私はモーター音にどう操られるのか。楽しみしていて下さい。

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