2006年12月

2006年12月26日

24日のクリスマスイブに横浜界隈のZAIMでライブ。ZAIM 別館2階ホールに、Graphical Soundの重信芳光さんが80年代のビンテージ卓(PA)を導入。卓のなかの配線をPCOCCケーブルに換え、電源を調整し新しいものに改良し蘇らせる…凄い仕事だ。ビンテージアナログの卓は、音を奏でると音の芯がしっかりしていて、デジタル卓や、現在、出回っているアナログ卓との差は歴然です。今回もTaguchiのラインアレイや平面波スピーカー、アンビエントスピーカーに、61cmのスパーウーファー等をプラニンング。この環境で音を奏でることに心から感謝します。

まず、私のソロ演奏。今回はマルチではなくステレオで奏でる。空間もシステムも変わって、音を奏でながらどんどん音をエディットしていき身体で感じる。後ろから追い込むような音が、少し物足りなかったので今後の課題にしたい。演奏するたびに学ぶことが多い。次にギタリストの阪本剛二郎さんが率いるABSINTEの演奏。イタリアでご一緒する前に、阪本さんのやりたいことが伝わった気がする。3人はそれぞれの間で、3人だけの間をつくろうとしている。最後に私とABSINTEの共演。私が旭川の上川神社でフィールドレコーディーングをした音で包み、鋭利な音から彼らを呼び込む。たった10分間ほどの共演でしたが、もう少しお互いの音に耳を傾けることができれば、面白いものになると感じる。

ライブ後に、別館1階ホールに、宮本宰さんと田口和典さん、そして、さとうじゅんことによる、サウンドインスタレーションと多重唱再生&生アカペラ歌唱のコンサートを体験する。((( 『音の森』 Sympho Canvas vol.3 featuring さとうじゅんこ ))) さとうじゅんこが、グレゴリアンチャント、Ave Verum Corpus、Adeste Fedeles等を、24chのコーラスを録音(1曲に24トラック分のコーラスを録音!!!)。そして、宮本さんの音つくりによって、とてもリアルで荘厳な音世界をつくりあげました。そして、さとうじゅんこは生ピアノと生歌で、インスタレーションをコンサートに変えてしまいました。宮本さんは「これまでのSympho Canvasで一番幸せだった。これがやりたかったのだ…」と、コンサート終了後も、繰り返し音を奏でていた。私もとても嬉しくて、音の森にマイクを置いて、その空気感を録音させていただきました。田口さんもさとうじゅんこもとっても幸せそうだった。今後も3人で継続してやっていくそうなので、次の作品がいまからとても楽しみです。

今日は2月にUPLINK FACTORYで競演する、バリのガムラン奏者で作曲家のデワ・アリットさんと、MANOHARA(マノハラ)代表の久保田広美さんが聴きに来てくれました。また、デザイナーの三浦秀彦さん、長唄三味線の山尾麻耶さん、森山開次さんの『KATANA』公演でお世話になった、ダンサーの梅村祥子さんなどが顔を覗かせてくれました。そして、NPO法人のコミュニティアート・ふなばし(アサヒ・アート・フェスティバルなどで活動)理事長の下山浩一さんも遊びに来てくれました。下山さんが「鳩の目日記」にコメントを書いてくれましたので、ぜひ読んで下さい(ありがとうございます)。ライブの様子が伝わります。

今後もZAIMで出会った人たちと、作品をつくっていきたいと思います。横浜は少し遠いイメージがありますが、渋谷駅からみなとみらい線で、35分でZAIMのある日本大通りに着きます。ぜひ一度、足を運んで下さい。この素晴らしい音を体験していただきたいです。次回は来年1月13~20日にsound installation作品『poly-graph』を展示します。皆さまとお会いできるのを楽しみにしています。

at 00:10│コメント(0)トラックバック(0)go taneda │

2006年12月23日

新作CD『sketch 2006』。11月11日にリリースしてから約1ヶ月と10日が経ちました。取り扱っていただいている店舗では、じっくり聴いていただき、ゆっくり動くであろう作品ということで、長期に渡り試聴機に入れていただき、展開していただけることになりました。作品によって取扱い方も変えていくというのは、店舗としては当然のことなのでしょうが、私にはとても新鮮で嬉しい経験になりました。感謝しています。

本CDは収録曲が1曲で22分22秒と長く、音の気配や空気感を感じさせる作品です。店内に他の音楽が流れる環境下で、ヘッドフォンでの試聴になるので、なかなか作品の良さが伝わらないと思い、試聴用にハイライトCDを制作することになりました。これはTOWER RECORDS新宿店の池田さんとの会話で思いつきました。はじめての試みだそうで、今後の参考になると池田さんも喜んでくれました。

当初は1曲を4~6にトラック分けにしようと思っていましたが、さとうじゅんこのアドバイスもあり、試聴用にと考えて、美味しいところを3分間で切り取り全4トラック制作。そして、最後にフルトラックを収録しました。試聴では厳しいと思っていた作品も、これで多くの方に触れていただくことができると感じています。ぜひ、試聴機でハイライトCDを聴いてください。よろしくお願いします。

現在、ハイライトCDを試聴できるのは下記の3店舗です。

TOWER RECORDS 新宿店9F new age (パネルも展示されています)
TOWER RECORDS 渋谷店5F new age
HMV 渋谷店3F indie electronic / new rock&pops

CD『sketch 2006』の特設ページに、取り扱っていただいているweb shopを2店舗追加しました。それぞれのshopのコメントも面白いです。また、TOWER RECORDS新宿店の池田さんと、HMV渋谷店の清水さんのコメントも追加しました。ご覧ください。CDをお求めいただいた方々からの感想もお待ちしています。こちらに送っていただけると嬉しいです。楽しみにしています。

a0ac82b3.jpg


at 03:57│コメント(0)トラックバック(0)go taneda │

2006年12月22日

22日。六本木のSuperDeluxeパパ・タラフマラの新作『シンデレラ』を観に行く。「SoundDanceVisual」の作品に美術や衣装でご一緒している、小林和史さんと甲斐さやかさんが、この作品に衣装デザインで参加。やはり「SoundDanceVisual」でお世話になっている山本麻紗子さんはタラフマラの顔(制作)である。我々の作品とはまったく異なる表現を目指しているタラフマラで、小林さんと甲斐さんはどう輝くのか…。

はじめてのSuperDeluxe。多々話題になっていたが、想像していたスペースとは違った。音響システムは持ち込まないと厳しい。作品は、研究生も全員(?)出演していて、まるで学芸会のような乗り。今後、この中から独り立ちできるような、個性あるパフォーマーが出てくるとタラフマラも面白くなると思う。

公演後にほんとうに久しぶりに、ドラマーの堀越彰さんと会う。相変わらず爽やかな人だ。いつか一緒にやろうと話す。また、振付家の香瑠鼓さんにも会う。以前、香瑠鼓さんのバンド・KAORUCO Ex:elのライブのオープニング曲をつくり、その時に小林さんと甲斐さんが衣装を制作した。いつもパワフルな姿勢に学ぶところが多い。

いい作品をつくらないといけないと思った夜でした。

at 23:48│コメント(0)トラックバック(0)go taneda │

2006年12月20日

19日。大塚のスタジオに、2月にイタリアのジェノバとミラノで公演する『まほろのやみ』のリハーサル。さとうじゅんこ、ギタリストの阪本剛二郎さん、ダンサーの神村恵さんが参加。神村さんとは8月の『うろ』以来の共演となる。project suaraの初海外公演!「イタリア-ジャポネ/コンテンポラリーダンスフェスティバル2007」に参加します。「SoundDanceVisual」や数々の舞台作品で築き上げてきた、<<音が空間芸術においては主体性を帯びたもうひとりのパフォーマーとして最も重要なファクターのひとつである>>を外国に向けて発信です。さとうじゅんこ、阪本さんや神村さん、美術・衣装の甲斐さやかさん、照明の加藤いづみさんと共に、海外で実現したいと思います。

at 20:18│コメント(0)トラックバック(0)

2006年12月19日

17日。フランス帰り(軽部裕美さんが1年間のパリ留学から帰国)の能美健志さん、川口知美さん、そして、さとうじゅんこで、3月の『ビオトープ』の打合せ。作品をつくるうえで、皆で話し合うのは何よりも大切だ。

19日。『ビオトープ』の会場となるALTANATIVE SPACE TEMPORARY CONTEMPORARYに、3月の横浜美術館・グランドギャラーでのart live - sound+dance+visual vol.7『セクエンツィア~さひづる庭』以来の共演となるTaguchiの磯野順一さんと、制作の川口眞人さんと視察。迷路のような小さな部屋がたくさんある。磯野さんが全日程に参加してくれることになりほんとうに嬉しい。

コンクリートの壁はバウンドする残響が3秒。音つくりは難しい…が、磯野さんが乗り乗りになってきて、どんどんアイデアが浮かんでくる。とても楽しい。スピーカーや音響システムを感じさせないで、音がどこから聴こえてくるかわからないようにプラニングすることになりました。

バックヤードの高い窓にパノラママイクを仕込み、お客さんの導線にアンビエントスピーカーから外の空気感を流し込む。バックヤードにパイプライン(平面波)スピーカーを仕込み、会場の壁に反射させて中に音を奏でる。会場にはアンビエントスピーカーの五重の塔を高めにセッティングして、上の方に残響がたゆたうような音つくり。卓は会場から見えないようにセッティングして、磯野さんは姿を消して…っと、想像しただけで興奮してきます。磯野さんはとにかく最高。私は月島のギャラリーという文脈から、またまた新しいことにチェレンジしていきたいと思う。

at 20:15│コメント(0)トラックバック(0)go taneda │