2008年03月

2008年03月02日

29日。シンフォキャンパスコンサート「森のサカナ」の音つくりの合間、さとうじゅんこと池袋に新しくできた豊島区立舞台芸術交流センター「あうるすぽっと」に、森山開次さんの『The Velvet Suite』を観に行く。とてもいい劇場。エントランスロビーには森山さんの写真がたくさん飾られていた。立派なパンフレットは森山さんの写真集のようです。またTシャツやエッセイ集などのグッズのなかに、2006年9月に青山スパイラルホールからはじまった全国ツアー(名古屋、広島、大阪、札幌)森山開次ソロ作品『KATANA』のDVDが発売されていた。私が音楽とライブ演奏で参加した作品です。各地でライブ演奏した音を音響デザインで参加した重信さんがライン録音したものです。録音していたことをすっかり忘れていましたが、いま思えばマイクで会場の空気感も録音していたらもっと面白かったと思う。今回のDVD製品に関して音楽は監修できませんでしたが、映像で『KATANA』を観る機会ができたことはとても喜ばしいことだと感じています。本公演の全国ツアーのみの販売となるとのことですので、お求めの方はぜひ公演会場に足を運んでください。今後、作品『KATANA』に大きな展開があれば楽しみです。

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『The Velvet Suite』ですが、音楽が変わると森山さんでも身体の在り方が変わるんだと再確認。そして、いま森山さんがやりたいことなんだな…彼の世界観にドップリという感じでした。音響デザインはマイクで舞台上の音を取り込んでいましたが、他にももう少しできるだろうと思う。また作品のなかで演奏家がステージに立つのはとても難しいと感じる。今後、自分自身の課題にもしたい。東京公演も残すところ一日でこれから全国ツアーがはじまるとのこと。森山さんには身体を大切に楽しんで欲しい。

公演後に森山さんの楽屋を訪ねる。いつもの屈託のない笑顔にホッと安心する。あいかわらず素敵な方。固く握手をしながら森山さんが「また戦いましょう」と言う。「戦いましょう」と応える。来年2月に新国立劇場で森山さんと津村禮次郎さんと作品『OKINA』(2004年9月に初演でしたが、まったく新しくつくりなおしたいと思っています)を予定していますが、その前に何か発表できるものがあるかもしれません。また森山さんの身体と競演できるのが楽しみです。

森のサカナ」の音つくりに集中します。

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2008年03月01日

2月26、27日。青山円形劇場で行われた美加理×種子田郷「Flowers'」公演が無事終了いたしました。たくさんのご来場ありがとうございました。円形劇場にシンフォキャンパスシステムを導入し、宮本さんと16chマルチトラック作品に挑戦して、音が不可視の身体として存在できたこと、また美加理さんの身体と競演できたことを感謝します。またこのような機会を与えていただいた小野さん、青山円形劇場、Taguchi、ON-COO、関係者に心から感謝いたします。

26日。「Flowers'」初日。12時に会場入り。昨日、早朝までかかって磨いた最後の最後の音を宮本さんに手渡す。最後の最後の音は、客席にセッティングされたシンフォキャンパスから奏でるのですが、さとうじゅんこが音ファイルに問題があることを見つけ、帰宅後に再度確認したところ、これでは集中力が途切れると感じ、本番までに再編集することにしました。宮本さんが何とか間に合うと言ってくれたのでホッとする。

美加理さんと音と明かり、そしてムーブメントの確認をしながら作品を高める。場当たりが終わり、サウンドチェックのために1時間弱の音作品を奏でる。宮本さん、さとうじゅんこ、そして私は客席のなかに座り歩き回り、目を閉じ耳を澄まして音を感じる。私は本番は客席の外側で演奏をするので、この質感を感じることはできない。この貴重な時間を身体で味わう。宮本さんのよし!という顔を見て手ごたえを感じる。その後、昨夜、フィールドレコーディングした音を奏で質感を整える。オープニングはシンフォキャンパスから奏でるので、開場中の音は壁のスピーカーのみで奏でることにする。あっという間に時間が経ち、美加理さんとはじっくり話せないままで本番の時間を迎える。

本番。静かに音粒が舞台を濡らす。片田さんの照明で会場が揺れている感覚になる。美加理さんは集中できているのだろうか…終演。音が時間軸と空間をつくった。美加理さんの身体の時間軸はオープニングから中盤まで大きく乱れてしまったようだ。しかし最後は音と身体が溶け合った。美加理さんの身体が少し浮いたように感じた。明日はもっとよくなると念じながら舞台挨拶をするが心ここにあらずだった。さとうじゅんこも厳しい顔をしていた。美加理さんともっと話さなくてはいけないと思う。

公演後に、撮影してくれた映画監督の三宅流さんが感じたことを話してくれた。また、デザイナーの三浦秀彦さんからも鋭い視点からのメールが届いた。今日は他にも多くの知人が観に来てくれた。先日、ラップトップオーケストラでワシントンDCに一緒に行ったシャトランさん、シャルルさん。トランペットの川村さん、音楽家の宮木さん、平野さん、私のCDを取り扱っていただいているウィディストリビューションの山崎さん、サウンド&レコーディングマガジンの編集長・国崎さん、世田谷美術館の塚田さん、ダンサーの神村恵さん、舞踏家の岡佐和香さん、プロデューサーの名取さんなどなど。他にもお話しはできませんでしたが、映像作家の甲斐さん、デザイナーの小林さん、タラフマラの白井さんや山本さんの顔も見えた。また私の両親、親戚や父の友人などもたくさん駆けつけてくれた。とても嬉しいが悔しい。明日は高めたい。

27日。二日目で最終日。昨夜の問題点を美加理さんと私、さとうじゅんこ、宮本さん、そして片田さんで見直す。美加理さんもじっくり丁寧に確認している。落ち着いてできれば大丈夫だと思う。確認後にサウンドチェックをする。今日でこの音空間とも最後だと思うと寂しい。本番前に美加理さんとふたりで音の身体の存在について話す。いい話しができた。最後に今日は楽しみながらパフォーマンスしようと…。

本番。私も美加理さんもみな集中できた。最後は私と宮本さんの音と片田さんの明かりのなか、美加理さんがお客さまが、会場がそらに舞ったのだと思う。当初、エンディングはリズム感のある明るい(?)音楽を制作していましたが、さとうじゅんこの助言もありまったく考え方を変え、自分らしくシンプルに力強い音をつくりあげた。その結果、美加理さんのパフォーマンスも当初の構成とはまったく反対のものになりました。そして、力が集結された。結果、これでよかったのだ。舞台挨拶も美加理さんとアイコンタクトをして少し笑顔でできたと思う。もうこれで終わり。あっという間だった。

昨夜はエントランスに顔を出すのが遅れ、ご挨拶できなかった人もいたので、今日は早めに出ることに…。舞踊評論家の石井達朗さんが、私の姿を見つけて真っ直ぐ歩み寄ってくれた。「ふたりがよく戦ってつくったのを感じた。」その言葉を聞いてこれまでの辛かった日々(?)が報われたように感じた。石井さんにはずっと厳しくあたたかく見守っていただいていましたが、前回、美加理さんと共作したダンストリエンナーレTOKYO2006での「生のものと火を通したもの/闇の碧」では厳しく評され、先日の美加理さんの日韓ダンスコンタクトでは危機感さえ感じて、とにかく音をぶつけろと言われていた。石井さんには前回の作品で説明的過ぎると言われた音でしたが、今回はさらに語り過ぎた感がありますがと問うと、今回はこれでよかったと言ってくれた。しかし、今回もまだまだこれからという段階だったが…あぁ終わってしまったんだなと感じる。

舞踏家の笠井叡さんと指先で握手をする。能楽師の津村さんと来年2月に森山開次さんとの「OKINA」作品で戦いましょうと話す。津村さんの笑顔を感じると安心する。ク・ナウカの宮城さんは音が面白かったと言ってくれた。いつかご一緒できたら嬉しいです。パーカッショニストの加藤訓子さんとも笑顔で話す。アンクリエイティブの盛さんとは次の話しをする。3月7、8日に共演する映像作家のmichiさんと井上さん、美術家の竹浪さんと話せた。早稲田の講義でお世話になった音楽評論家でもある吉田寛さんとまたゆっくり話しましょうと…。振付家の香瑠鼓さんとヴィジュアリストの手塚眞さんとも話す。香瑠鼓さんは声を発して音と共振していると言っていた。興味深い話しだった。手塚さんはシンプルな音がよかった、美加理さんが次に向かうための集大成だったのではと話していた。舞踊評論家の志賀さんとは木の根っこについて話す。

公演前に、踊り手の伊藤虹さんとアイコンタクトできましたが、公演後に話せなかったのがとても残念でした。武蔵野美術大学の椎名さんも公演前に姿を見つけましたが話せなかった。顔を拝見できなかったのですが、先日、ピックアップアーティストで取り上げていただいたタワーレコードのフリーマガジン「intoxicate」の編集・小林さん、ICCの畠中さん、アリオン音楽財団の玉虫さんなどなど感想を聞くのが楽しみです。他にも知人がたくさん観に来てくれてました。またメールなどで感想を聞かせていただきたいと思います。そして、田口製作所、ON-COOの代表・田口さん、Taguchiのエンジニアの方たちにも本番を体感していただけました。いつもイメージする音空間を実現させていただき感謝しています。

搬出後に皆で打ち上げ。プロデューサーの小野さんが「いまできるふたりのべストパフォーマンスでしょう」と言ってくれましたが、私はまだまだ上を目指していた。次の機会があれば、今回、できなかったことを実現したいと思う。小野さんの大きさに真の強さを感じた日々でした。今回、ギリギリまでご迷惑をおかけした衣装の岩崎さんとヘア&メイクの河西さんと金野さんも笑顔。片田さんは素敵な方でした。宮本さんはシンフォキャンパスを新しい倉庫に移すということで参加できなかった。宮本さんとご一緒できたこととても光栄でした。作品「森のナカナ」ではさらに高めていきたいと思う。武藤さんや鎗野目さん、増田さんと楽しく話す。平岡さんにはお世話になりっぱなしだった。舞台監督の原口さんや酒井さんも参加できなかった。常に冷静に進めていただき感謝しています。そして、さとうじゅんこには構成や演出で大いに助けてもらった。また、私と美加理さんが繋がったのも彼女のおかげだと思っています。美加理さんもホッとした様子。私はどうしても戦いたくなるのですが、また、いつか(今度こそ)美加理さんと音と身体で戦いながらしっかり作品つくりができれば嬉しいです。

今後も厳しく見守っていただきたいです。次の機会までにさらに成長できるよう精進していきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

次作品「森のサカナ」の音つくりに集中します。

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