2015年04月

2015年04月19日

15〜17日。知人のプチヒマラヤを体感できるの一言で、南アルプスの甲斐駒ヶ岳(2,967m)をソロテント泊で歩いてきました。河原の登山口から遠くに甲斐駒ヶ岳の姿が見え感銘を受けていたら、雷と強い雨になる。雪解け水もあり、何度か渡らなければならない河川の水かさが増す。山に取り付くとみぞれになり、その後、雪になる。何とか北沢峠のテント場に辿り着く。

2日目は晴れ。雪が降ったのでトレースもなく、雪は残雪期とは思えないほどとても美しかった。3日目は朝食後に雨が降り出し、小仙丈ヶ岳までと考えていたが、珈琲を飲んで下山することに決める。下山の途中から登りと変わり緑あふれる山の姿。

テント場のある長衛小屋もまだ営業しておらず、わたしの天幕のみで貸切り。結局、登りから下りまで、誰にも会うことなく、あの大きく深い山にたったひとりで包まれていたのかな…山はこんなにも静かなのですね。

バスの最終地である仙流荘から登山口までは林道を徒歩1時間強。行きは登山計画書を提出した方が追いかけてくれて、帰りは山に入った人がいると聞いていた方に声をかけてもらって、車に乗せていただきました。温泉の受付の方にもお菓子をいただく。この時期は厳しいので、皆で心配していたとのことでした。たったひとりきりだったと喜んでいましたが、人の心に触れ感動した山行になりました。ありがとうございました。

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この時期は北沢峠までバスが運行していないため、車は河原にある戸台登山口までしか入れず、河原と樹林帯の急登を7時間ほど歩きます。歩きはじめからそびえる甲斐駒ヶ岳の姿が美しい。

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山の家から望む小仙丈ヶ岳。

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駒津峰から細い尾根を下り、甲斐駒ヶ岳山頂までの岩と雪のミックスを見上げる。

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鳥のトレースです。はじめて観ることができました。

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北沢峠からのルートは、山頂直下の雪と岩場のミックスで、数箇所、危険なトラバースがありましたが、岩場は巻き道ではなく、直登ルートの方が安全でした。

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甲斐駒ヶ岳山頂。

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山頂からのぞむ仙丈ヶ岳のカールが美しい。2012年の秋に歩きましたが、雪の仙丈ヶ岳を歩きたいと思っていました。次の機会に…。

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北岳以南の稜線。これも見たかった。いつか歩きたいです。春の霞。

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雨は雪を解かし、山は目覚める。

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帰りもずっと甲斐駒ヶ岳が見守ってくれていました。

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ありがとうございました!

※18日。黒戸尾根で遭難事故が起きました。とてもショックで残念です。17日の夜から歩きはじめて、7合目の七丈小屋に立ち寄り、18日の早朝に山頂に向かったようです。5合目から7合目にかけて、梯子や鎖の岩場が続き難所のようですが、滑落した8合目も岩場だそうです。夜からだと気力、体力とも厳しかったと思われますが、天候か雪質か…ご冥福をお祈り致します。

16日は雪が解けて、その上に新雪でしたが、わたしがアタックした時は雪がかなり積もったので、ピッケルとアイゼンで確保できました。17日は早朝から雨で途中から晴れて気温が上がり、雪が解けて滑りやすくなっていたと思われます。残雪期は厳冬期以上に厳しくなる場合があります。

今回は天候がめまぐるしく変わりましたが、すべての装備を効果的に利用して何とか乗り切りました。装備は大切だなとあらためて思いました。そして、山歩きには体力が何よりも力になると痛感しています。




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