2006年03月11日

7日。UPLINK FACTORYで、映画監督の三宅流さんの作品『面打/men-uchi』の音チェックをしました。3月11日にUPLINK FACTORYで、第1回目の上映があるですが、上映される環境に適した音つくりが大切です。今回、このドキュメンタリー映画の整音を担当しています。方向性が見えたので、翌日、suaraスタジオで最終チェックをすることになりました。

8日。suaraスタジオに三宅流さんが来る。集中して『面打/men-uchi』の音つくりをする。映画館での上映なので、ダイナミック処理を感じさせないように、音圧を上げることよりも、長時間聞いていても疲れない音つくりをすることになりました。また、モノラルとステレオのバランス次第で、ノイズが減少することを発見する。これはとても面白かった。これまで、ずっとスレテオは強いと感じていましたが(マルチトラックや5.1chは面白いと思っていますが、音の力は弱い)、それ以上にモノラルは最強と再確認されられました。

9日。『面打/men-uchi』の仕上げ。最終的にノイズを取り除くよりも、能面と向き合う若い面打師が、黙々と木を刻む姿勢、芯の太い音に仕上げました。空気感を大切にしました。


3月11日 UPLINK FACTORY 『面打』×能舞『屋島』

映画監督三宅流 ドキュメンタリー作品『面打/men-uchi』上映
22歳の若手面打、新井達矢が一つの能面を製作し、能楽公演に使用されるまでをとらえた映画である。ナレーションやインタビュー等、言葉による説明を一切排し、ひとつの四角い木の塊が削られ、剥がされ、次第に表情を帯びていく様をひたすら見つめ続ける。沈黙の作業空間に、ただ鋭利な刃物が木を刻んでいく音だけが静かに響きわたる。

能楽師中所宜夫・能楽囃子方大鼓大倉正之助によるパフォーマンス『屋島』
能舞『屋島』では従来の古典能を、観世流能楽師の中所宜夫(上映作品『面打』に出演)、大倉流大鼓の大倉正之助の二人のコラボレーションによって大胆に抽象化し、能本来が内包している現代性とミニマル性をより強く際立たせていく。水を打ったような沈黙の空間を、シテの身体と大鼓の打音が鋭く刻みつける。

なお、このイベントは予約が定員に達したそうです。第2回目は4月2日を予定しています。上映×パフォーマンスの詳細が決まりましたら、お知らせさせていただきます。お楽しみに!

at 01:48│コメント(0)トラックバック(0)go taneda │

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