2006年04月05日

2日。UPLINK FACTORYにて、映画『面打』×能舞シリーズvol.2 -沈黙の中に刻みつけられる音- に出演。今回はずっと求めていた能楽師と、能の題材でのパフォーマンス。「船弁慶」静御前の能舞。映画上映の前に、観世流能楽師の中所宜夫さんと通しリハーサル。様子を伺ってしまい、謳いがはじまると音を引いてしまう…。リハーサル後に中所さんが「もっと音に誘発されたい」と言って下さり肩の力が抜ける。動き、間、謡いの時間軸を感じられたので、映画上映中に音を再構成することにする。危機感を持って音つくり。新しい音を構築していく。

本番。中所さんの足さばきに集中して音を奏でる。音で動きを誘い、動きで音を誘われる。公演中、これまでにない感覚を何度か味わう。一瞬の間に、面を刻む芯の強い音を奏でる。中所さんの身体が震える…とても美しい瞬間。能舞の強度感。この競演は次のステップになったと感じる。この機会に感謝します。また、今回、PA演奏で参加してくれたさとうじゅんこにも感謝しています。

『面打』の監督である三宅さんは、先日、リハーサルで構成の話しをしていた時の方がドキドキしたと言っていましたが、今日はいつもよりライヴ感が強かったと思います。UPLINKの鎌田さんはとても喜んでくれて、静御前の悲しみを感じ、涙を流した(流しかけただったかな?)と言って下さいました。鎌田さんにはいつも私の音を聴いていただいているので、何だかとても嬉しかったです。

今日は、先日の横浜美術館でご一緒した、三浦秀彦さん、甲斐さやかさんが観に来てくれました。また、振付家の香瑠鼓さん、音楽家の川村祐介さん、舞踏家の伊藤虹さん、映像作家の牧野貴さん、新国立劇場で森山開次さんの作品「弱法師」「OKINA」で共演した観世流能楽師の津村禮次郎さんにも観ていただけました。それぞれ、次に繋がるお話しもでき、とても有意義な時間を過ごす。

次回、『面打』上映は5月5日です(月1回定期上映を予定)。いい映画なので、多くの方に観ていただきたいです。また『面打』のイベントでパフォーマンスできるのであれば、次はもっとテクスチャを感じさせる音を奏でたいと思います。

at 02:55│コメント(2)トラックバック(0)go taneda │

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by モリシタ   2006年04月05日 12:15
物凄く気になっていたのに、伺えなくて残念でした。
タイムドメインのスピーカーを使用してらっしゃるのですか(あれすごく好きなのです)?
能舞と静謐の中に響く音、それが空間を通してどう反響し振動が伝わるのか、種子田作品の中でも必ず体験したい作品です。
次回は必ず行きますね。
2. Posted by go   2006年04月08日 23:30
森下さん。こんばんは。自宅(suara)スタジオには、Taguchiの音響システムがラニングされていますが、タイムドメインミニも3セット使用しています。低域も高域もカバーできませんが、空気感が伝わるお手軽でいいスピーカーですね。知人にもすすめています。7月に映画『面打』×能舞シリーズvol.5が開催されますが、新国立劇場で森山開次さんの作品でご一緒したことのある、観世流能楽師の津村禮次郎さんとパフォーマンスをする予定です。楽しみにしていて下さい。

コメントする

名前
 
  絵文字