2006年07月20日

16日。UPLINK FACTORY。project suara主催 live installation - sound+dance+visual vol.8 『青い月』公演が無事終了致しました。たくさんのご来場ありがとうございました。本公演でsound+dance+visualも8回目を終えましたが、はじめて作品をやり終えた実感を得ました。私とさとうじゅんこ、小林和史さんと甲斐さやかさんのsoundとvisualが核になって、皆の目指すビジョンがひとつになった感じです。

小林さんと甲斐さんは公演前日の夜から朝4時まで、UPLINKで美術のセッティングをしていました。朝8時頃に会場入りした時にはもうおふたりはいました。会場に入った瞬間…FACTORYが別次元の世界に変わっていました。一日だけの一回公演ではあまりにも惜しいと思いました。おふたりの情熱に心震える。お客さんも立ち見が出るほどだったので、また機会をつくって、この小さい空間での作品『青い月』を公演したいと思います。

しばらくして、本公演のチラシをデザインした三浦秀彦さんが到着して、照明のセッティングを手がけてくれる。コミュニケーションを取って、テクニカルな部分と本番での照明でサポートしてくれました。またオリジナルの照明もつくってきてくれました。相変わらず素敵なデザインで、スタジオで使いたいと申し出る。三浦さんは9月頃にUPLINK GALLERYで展示をします。楽しみです。

また、今回は音響デザイナーの重信芳信さんが参加してくれました。入念なサウンドチェックのあと、スミヤントさん作曲のガムランの曲「マントラ」のリハーサルを行う。重信さんはさとうじゅんこと山川冬樹さんの歌声を聴き、スミヤントさんの太鼓を感じて、車にマイクを取りに行ってくれる。会場の空気感を取り込むのだ。太鼓の節目の拍に合わせて、フェーダーを上げ、会場を共鳴させる。その音つくりを感じて嬉しくなる。UPLINKはとてもデッドな環境なので、リバーブも用意してくれる。本作品での私の音は、よりシンプルに空間を捉える音つくりなので、リバーブ処理をすると低域が分厚くなり、長時間聴くには疲れるので、最後の最後、大地を感じさせる音のみで加えることにする。重信さんとコミュニケーションを積極的に取って音をつくり上げていく。とても楽しい。今後、重信さんとは8月の『うろ』、9月の『KATANA』でもご一緒するので、しっかりいい関係を積み上げていきたいです。今後が楽しみです。

通しリハーサル。木村佳代さん、さかいれいしうさん、樅山智子さんのガムランの音色が美しい。山川さんのホーメイはどこまでも届く歌声。小さな箱にいる感覚を麻痺させる力がある。山川さんの歌声にさとうじゅんこの歌声が絡みつきたゆたう。美しく力強く、そして、やさしい。心に響く歌声。スミヤントさんの素直な祈りを感じる。リアントさんの踊り。私の音を探りながら静かに舞う。この強度。誰も太刀打ちできない。リアントさんは若干24歳。ほんとうなのか…リアントさんの踊りには背景が見える。会場ギリギリまでリハーサル。一度しっかり通せてよかった。

本番。さかいれいしうさんの丁寧な青銅の音色からはじまる。さかいさんは歌い手。とても大切に音を奏でる。歌心が身体に染み付いているさかいさんに、ガムランの演奏に徹していただいてよかったと強く感じる。スミヤントさんが指揮し、木村さんが引っ張り。樅山さんが感じる。とてもいいアンサンブルです。そして、スミヤントさんの祈りが導き、山川さんの歌声が響き渡る。山川さんのソロでホーメイのガラガラ声を聴く。山川さんはいま一番輝いているのではないでしょうか。山川さんの集中力と経験が光る。さとうじゅんこも山川さんとの競演を楽しみながら歌っている。最近のさとうじゅんこの歌声はある境地まで達し、またさらにその上をいこうとしている。その歌声からは無限大のビジョンを感じる。

スミヤントさんの太鼓で、リアントさんが壁から抜け出る。この小さな空間。入ることも出ることもできない空間を見事に切り取った、小林さんと甲斐さんに心から感謝したい。今後もおふたりと一緒に活動していきたいです。リアントさんの人類がもつ身体のポテンシャル、圧倒的な可能性を秘めた身体。生まれた時から大地と会話し、生きるために踊ってきた真実の力。私はリアントさんに出会いに感動しました。もっと多くの方にリアントさんの踊りを感じていただきたいと思う。今後、いろんな機会をつくっていきたい。また最後は、暗転のなか私の音にさとうじゅんこと山川さんが歌い、リアントさんが心の叫び声を上げる。インドネシアの方は滅多なことでは感情を表に出さないのですが、自然に出てしまったとのこと。リアントさんの未知のものを引き出せたのかもしれない。次に繋がるエンディングでした。

私もこれまでとはまったく異なる(見せることがなかった)音を奏でました。たくさん詰まった引出しを徐々に開放していきたいと思います。ご期待下さい。また「マントラ」の祈りの歌で静かに奏でていた低域を、スミヤントさんがとても気に入って喜んでくれた。歌、人を山に還した。

この作品は12月に横浜市の歴史的建造物でヴァージョンアップして公演予定です。今後のお知らせを楽しみにしていて下さい。

今日は通しリハーサルをウィディストリビューションの山崎さん、本番を11月にご一緒するクナウカの美加理さんと衣装デザイナーの高橋佳代さん、振付家の香瑠鼓さんとダンサーの皇元咲人さん、能美健志&ダンステアトロ21のダンサー坂田守さんと長濱加実さん、デザイナーの上浦さん、芸大ガムランクラブの古川さん、新国立劇場の音響家・吉澤さん、パパタラフマラの制作兼、演出家・小池博史さんのマネージャー山本麻紗子さん、舞踊評論家の堤広志さん、山口小夜子さんなどなど多くの方に観に来ていただける。感想が楽しみです。

今回も多くの方に支えられて公演が実現しました。<東京の夏>音楽祭、UPLINK、Taguchiに感謝致します。また、リアントさんのサポートをしてくださった川島未耒さん、スミヤントさんのサポートをしていただいた根津亜矢子さんありがとうございました。確実に次に繋げていきます。また、横浜美術館・グランドギャラリーでも撮影していただいた写真家の中山AMY晶子さんに、今回も撮っていただきました。一枚一枚が絵画のような質感。楽しみです。

公演後に、小林さんのスタジオに舞台美術と衣裳を運ぶ。途中、以前、小林さんさんと甲斐さんから連れて行きたいところがあると言ってくれていた「蛙の水田」に行く。「ふるさとの森」といって蛙の合唱が水田に広がり小さな山もある。0時頃に着いたのですが、雲が月明かりに照らされ緑が深かったです。とてもとても美しくほんとうに空気が美味しかったです。本番前日。四人はほぼ徹夜でしたが、緑あふれる地で深呼吸して心と身体に、また新しいエネルギーが芽生えました。さらに次に向かいたいと思います。

今後もproject suaraをどうぞよろしくお願いします。

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Visual Art Direction 甲斐さやか・小林和史(OutSect)


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