2006年08月13日

10日。麻布十番のKIMKEN STUDIOで、私の4年6ヶ月ぶりのCD(ソロアルバム)『sketch 2006』のマスタリング。2003~2005年に作曲し、現在まで何度も何度も磨き上げてきた音たちを、CD用に新しく構成しました。この4年間、アウトプットにこだわり、音響システムを導入して演奏してきましたので、なかなかCDというメディアに踏み込めませんでしたが、次の音に向かう為にも発売することにしました。また、作品を残すためにもCDを制作することはとても大切なことでした。

本作品ではマスタリングでEQをいじったり、音圧を上げることは望んでいなかったので、音楽家のmjucさん(10月に自身のレーベルaiding musicから3枚CDを発売されます)にご相談しました。そこで、やはり一度、アナログに落として、マスターCDをつくる工程は必要だろうということになり、ずっとお世話になっているkimkenさんにご連絡しました。そして、とてもお忙しいなか時間を取っていただけることになりました。サウンドデータは.aiffにバウンスしたものではなく、Macとオーディオインターフェースを持参して、直接、音を落としていただくことにしました。

kimkenさんに音を聴いていただく前に、このCDのコンセプトや、近年の活動を話し、CDを発売する意図を聞いていただきました。じつはラップトップではじめてライブをしたのは、kimkenさんが主催したイベントでした。その後、自分の主催するイベントに何度か参加していただき、kimkenさんの音つくりには絶対の信頼がありました。CDはライブや舞台でパフォーマンスするのとはぜんぜん違う。マスタリングエンジニアとして、経験豊富で多くの実績を持つkimkenさんに聴いていただきたかった。

マスタリング開始。途中、ピリピリピリとノイズが10秒ほど入る。頭を抱えてkimkenさんに「いまのは意図しない音です」と告げると、「このまま最後までいきましょう」と静かに応えてくれる。音を最初から最後まで落として、さっそくノイズが発生した箇所をチェックするが、データにはノイズが入っていなかった。ホッとする。kimkenさんも「こんなのははじめてです」と…何かが来たのかな?

CD作品にすることで心配だったのは、ライブや舞台会場では、繊細な音を奏でるのと同時に、建物や会場が共振周波数を構築した音によって、倒れんばかりに揺らしたりするのですが、CDでそれを体感することは難しい。聴く人によってそれぞれ環境も違うので、それと同じことを求めるのもおかしい。そこで、いつも目指している、音の空気感や音の気配、音の湿度を感じさせることをしたかった。最近、出回っている音圧中心の作品とはまったく異なる音をCDで伝えたかった。

現在、kimkenさんが手がけているアーティストの波形を見せてもらいながら、音を聴かせていただき、私の音と質感を比べる。kimkenさんの「とてもいいです。」の一言で、発売する決心がつきました。マスタリングで駄目であれば、発売を延期することを考えていました。それにしても他のアーティストの波形は、太い一本の棒のようだ。私の波形はいろいろな顔を魅せる。kimkenさんの「この作品は、ボリュームひとつひとつが作曲なので音圧は触りません。」の言葉を聞いて、kimkenさんにお願いしてよかったと心から思いました。彼は音楽家でもあります。最近はモジュールのみで作品つくっているそうです。また一緒にライブをしたいと笑顔で別れる。

自宅に帰り、この作品をレコーディングしたsuaraスタジオで、マスターCDをモニターする。自分で焼いたCD-Rとの違いにびっくり。サブウーファーを追加して、ボリュームを上げて聴いてみると、ライブで演奏した時のような、音を身体で聴くことができた。音響システムによっては2通りの聴き方ができそうです。kimkenさんに感謝です。

CDは9月の森山開次さんとの全国ツアー(東京→名古屋→広島→大阪→北海道)の公演会場で先行発売が決まりました!その後、9月下旬から10月上旬を目標に、TOWER RECORD、HMV、UPLINK、Nadif、warsawaなどのCD取り扱い店。ギャラリースペースや舞台会場のスペースなどで販売します。また、project suaraのHPでも通信販売をします。後日、詳細を発表させていただきます。

CDジャケットは、これまでずっと私の音を感じ、一緒に活動してきた三浦秀彦さんにデザインしていただきました。とても素敵な絵。絵からは音が奏でられています。また、本作品に2つの素晴らしい音素材を提供してくれ、すべての面で協力してくれた、さとうじゅんこに心から感謝します。4年6ヶ月ぶりのCDを楽しみにしていて下さい。

at 03:14│コメント(0)トラックバック(0)go taneda │

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