2006年09月05日

今日は2回公演。気を抜かず集中したいと思う。昼公演の前に、Taguchiの田口さんが、アンビエントスピーカーを持って来てくれる。いま導入しているアンビエントスピーカーではパワーが足りないので、用意していただけました。感謝です。このスピーカーは、円状の平面波ユニットが上に向いていて、その上に反射板が、先の尖ったお椀をひっくり返したようにセッティングされている。直進エネルギーが反射板に当たり、減衰しないで、斜め上から下に向かって音の通り道ができる。もちろんこんな音場を再現するスピーカーに出会ったことがない。田口さんの探求する姿勢にはいつも学ばされる。

昼公演。開演前の書を取り外す場の音を新しくしました。とてもいい感じ。お客さんを適度な緊張感で本編に誘うことができた。前半。音の波動と森山さんの踊りがピークでぶつかる瞬間が生まれた。少し興奮したが「SW」と唱えて冷静になる。中間部分の音の自然な音の広がりは、新しくしたアンビエントスピーカーの威力。その音に包まれて森山さんは静かに歩む。謡いはどこから聞こえてくるのかわからない感じだった。重信さんの素晴らしい音場創成です。終演。内から発する渋好みの作品となった。

本公演には11月19日ダンストリエンナーレ TOKYO 2006において、このスパイラルホールでご一緒する美加理さん、CDのジャケット・チラシのデザインをしてくれた三浦秀彦さん、ロンドンから一時帰国している映像作家のmichiさん、舞台衣裳を手がける川口知美さん、永谷亜紀さんの作品でお世話になった吉野さんなどなどたくさんの方が観に来てくれました。また、舞踊評論家の石井達朗さん、志賀信夫さんもいらっしゃっていました。公演後に石井さんから「1時間の力ある作品をよくつくった」と心強いお言葉をいただく。志賀さんは音まわりのことをよくご存知で、いつもお話しするのが楽しい。あたたかく、そして厳しく見守っていただけて嬉しい。気持ちを入れかえて夜の公演に備える。

夜公演。いつものように、開演前に劇場全体を感じる。客席には演出家の蜷川幸雄さんや、デザイナーの三宅一生さんの姿も見える。また今回のツアーTシャツをデザインした、OutSectの小林和史さんや甲斐さやかさんもいる。そして、Taguchiの田口さんもいる。気を引き締める。オープニング前の音はますますクリアーになってくる。お客さんの反応を感じながら演奏する。楽しい。

本編。森山さんのムーブメントを肌で感じる。杉本さんの照明も深く感じられるようになる。そして、お客さんの呼吸も感じる。耳を澄まして、空間全体の空気感を感じながら、集中力を切らさないで音を奏でる。3回目にして全体がはじめてしっくりした感じになった。しかし、これではもの足りないので、音、踊り、照明が勝負する場もつくりたいと思う。作品は公演のたびに進化する。

本公演には美加理さんとの公演で衣裳を担当していただく高橋佳代さん(クナウカで17年間衣裳を担当しています)、ジャワ舞踊の久保田さん、芸大のガムランクラブでご一緒していた平野さんなどに観ていただきました。高橋さんには音からも、衣裳のデザインを構想していただきたい。公演後、蜷川幸雄さんと三宅一生さんと少し話し、CD『sketch 2006』を手渡す。今後、三宅さんの新しいプロジェクトに関わることができれば幸せです。

Taguchiの田口さんもとても喜んでくれました。「謡いはどこから奏でられていたのか?」の一言で、重信さんはほんとうに喜んでいました。アンビエントスピーカーを持って来てくれて、さらに音場がよくなりました。田口さんありがとうございました。

今日はワルシャワFourth Floorの宮坂さんのお友達の中村さんにもCD販売を手伝っていただきました。とても大きな声で宣伝してくれて、長濱さんや他のスタッフも活気づき、とてもいい雰囲気になり、CDもたくさん購入していただけました。ありがとうございました。

明日はもう東京公演の最終日です。

at 01:32│コメント(0)トラックバック(0)go taneda │

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