2009年03月24日

15日。「百葉窓」最終日。本日は昼公演のみ。朝から会場入りしてオープニングから奏で全体の構成を再度見直す。中間の前半から中盤にかけて少し展開をシンプルにし、後半に入ってからのフィールドレコーディングの音を文脈的に入れかえ、最後はセンタースピーカーでメロディを語らせていたのを、小林さんや三浦さんのご意見を聞きながら低域のうねりから高周波が一本残り外の音と交わるような構成にしました。

センタースピーカーは130mmの平面ユニットを12発デザインしたもの。本作品では時空の切りかえ時の具像音や川村祐介さんのトランペットのボイスなどを奏でました。リアルな音がそこに存在しました。

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さとうじゅんこもマルチトラックの歌作品や玩具のキーボードで奏でた音の質感を時間軸で変え、てんとう蟲(楽器)の音色をリアルタイムでどんどん動かし試しています。この音響システム、この音響デザインで奏でることができほんとうに幸せです。田口さん、小林さん、on-coo、taguchiに感謝いたします。とてもとても贅沢なことです。また三浦さん、岸本さんには音つくりに集中させていただき感謝しています。開場まで音つくりに集中。ぎりぎりまで音を磨き上げる。

開場の準備中に小林さんがテキサスで収録してきた鳥の鳴き声を奏でる。朝方3時頃に窓を開けると何万羽という鳥が鳴いていたそうです。すごいエネルギー感。時々通り過ぎる車の音によって巨大な場が目の前に現れます。開場後も奏でていただくことでお客さまもリラックス…小林さんは全体を観てくれています。下記は小林さんがプラニングした18本のスピーカーのためのアンプたちです。

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本番。4回目の公演で外の音と競演し楽しみながら演奏でき作品は高まりました。最後は高周波が小林さんの鳥へ…そして外の音へと溶け合いました。最後まで全体の構成を再構築してよかった。いつも1回目の公演からできていたらと思うがこれもライブの面白いところです。昼の公演は新鮮で面白かったです。いつも会場を締め切り照明を落とし静かな場をつくり音を奏でていましたが新しい発見でした。次は野外公演にも挑戦してみたいです。

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今日はフルートの木ノ脇道元さんやアンサンブル・ノマドのディレクターの佐藤紀雄さんが聴きに来てくれました。作品を気にいっていただけたようで…いつかご一緒できるのを楽しみにしています。また本作品でトランペットのボイスを提供していただいた川村さんも聴きに来てくれました。川村さんのボイスは本作品のキーになりました。ご一緒した音響音楽詩「PARADISO」では私の問題で作品として成立しなかったのでいつかリベンジを…。また私のCDを取り扱ってくれているウィ・ディストリビューションの山崎さんが低域の出入りの切れ味に感動していました。他に映像作家の甲斐さやかさん、ダンサーの贄田さんや坂田さん、長濱さんなどお姿も…ご来場ありがとうございました。

あっという間の三日間でした。平面ユニットのみで構成されたon-coo独自の7.1(7.5)chシステムで、いまこの場でしか体験できない音作品をつくることができました。今後、このメンバーでさらに高めていきドルビージャパン殿とも深く繋がっていければと思います。またZAIMの202号室が音と美術で心地いい空間に生まれ変わり嬉しかったです。

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いつも新しいことに挑戦する気持ちを忘れずに続けていきたいです。ただ課題もたくさんありましたので、次回は皆で企画からしっかり打合せを重ねてプロセスも楽しみたいと思います。すでに来年度の構想もあります。今後のon-cooの展開を楽しみしていてください。

at 02:41│コメント(0)トラックバック(0)go taneda │

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