2012年04月10日
3月23日。朝5時。北八ヶ岳の黒百合ヒュッテ。氷点下10℃。前回(3月13日)、この時間は氷点下23℃でしたので、やはりずいぶんあたたかくなりました。山の澄みきった空気を肌で感じながらお茶をいただく。

まだ眠っている山小屋。

啄木鳥の巣に戻る。窓は凍っている。





登りきるとすごい風。もし天候が良ければ、昨日、断念した西天狗を目指そうと思っていましたが、天狗岳の姿は見えず、やはり次回の楽しみにしようと誓う。


すりばち池。きれいに凍っています。






黒百合ヒュッテに戻ります。う〜ん。荒れてきました。

















厳しくなってきました。

高見石小屋に到着です。




丸山に登頂です。埋まっています。

もちろん展望は真っ白です。



静かです。



麦草峠です。



自分のつくった道です。





























雪をかきだすと出てきました。



縞枯山。もう楽しいぐらいの吹雪です。この音はこの風はなかなか体験できません。










森を抜けるとふたたび風が襲う。


今日は泊まり客もいないだろう。











まだ眠っている山小屋。

啄木鳥の巣に戻る。窓は凍っている。


今朝もわたしひとりのために食事をつくっていただきました。こたつを独り占めして美味しくいただきました。お米がとっても美味しくて、また大盛りおかわりを…今日の山行のエネルギーになります。感謝します。

増原さんに3日前の雨で雪が融け、すりばち池が凍っていると教えてもらい、出発前に遊びに行く。

山小屋の急斜面を楽しみながら登る。



すりばち池。きれいに凍っています。




もちろん氷の上を歩きます。

たまに割れてびっくりします。楽しくて池を一周しました。楽しかった。


宿泊していたおふたり(みぞかわさんとあらきさん)は、このまま下山すると渋の湯へ…またお会いしましょう。

さぁ四つの山を登ります。出発です。





森のなかにある中山に登頂です。


中山展望。吹雪で山々はまったく見えません。


早々に先に進みます。


雪が積もってきてだんだん深くなっていく。

前回、出会ったコケ丸にまた会えました。なんだかとても嬉しかった。

これがコケ丸です。

まったく人に会わない静かな山行で、途中の森に唯一こんな看板が…一瞬、ホッとさせてくれました。

厳しくなってきました。

高見石小屋に到着です。

薪にも雪が積もる。



丸山に登頂です。埋まっています。

もちろん展望は真っ白です。



静かです。



麦草峠です。

ここはほんとうに雪が深くなりトレースはなくラッセルしながらガシガシ歩く感じです。今回はいらないだろうとワカンを持ってこなかったが、あれば楽しかったと思う。

麦草ヒュッテの前にある休憩所を目指します。

自分のつくった道です。

まったく人気のない休憩所であたたかいカップラーメンをいただく。あたたまった。

前々回、妹と河原さんと泊まった麦草ヒュッテです。

また来れて嬉しかったです。





大石峠です。

吹雪でも、森のなかでは風は空を舞う音だけ。静けさが支配し身体の静けさを体感する。






茶臼山に登頂です。

木々が静かに低く語る声をしばし立ち止まり聴く。いい音です。


ここのコケ丸はまだまだ冬です。


ここの場は特別な空気感を感じました。ボーと木々を眺めていると“ふっ”とくちばしの長い小さな黒い鳥が舞い降りてきた。この世のものとは思えなかった。どこかに連れて行かれそうになり後ろを振り返る。




ここまで順調だったが、登りきったところにトレースはまったくなかった。ここで1時間あまり迷うことになる。雪がどんどん降り風もとても強い。

矢印の方向に進むと道のない森のなかに入る。雪は深く膝の上まで埋まる。自分でつくった道があるのみ。誰か登ってこないかな…と思うが、この天候だと誰も登らないのか。そういえば山小屋を出てから誰にも会っていない。幸せだな〜贅沢だなと思っていましたが、さすがにこの時ばかりは少しひと恋しくなる。人は身勝手だ。

身体も冷えてきたので、森のなかで風を避けつつメリノウールの上に中間着のフリースを着る。そして、気を落ち着かせるために行動食をとりエネルギーをもらう。そして、道しるべに戻る。3度目。地図を開きコンパスを置いて、ここしかないという道を進むことにする。やはり道がないが、雪のすぐ上の木の枝に小さな赤い布(ありがとうございます)を見つける。ここだと思うがその先に道はない。迷わず進みしばらくすると登山道のような跡が見つかる。

ホッとする。道が開けてここだと確認する。なんとか乗り切りました。

縞枯山への道しるべ。

雪をかきだすと出てきました。



縞枯山。もう楽しいぐらいの吹雪です。この音はこの風はなかなか体験できません。

木が美しくしなります。

えびのしっぽです。

縞枯山登頂です。前々回(2月18-19日)に来た時よりも1mぐらい雪が深くなっていた。

下山です。

下りがきつかったのでソリ遊びをしながら一気に下る。

とうとうロープウェイの文字が…。

森を抜けました。後ろをふりかえる。

無事、森を抜けられたのはぬしのおかげか…。

下山が見えたところで記念に撮る。

森を抜けるとふたたび風が襲う。

縞枯山荘が見えてくる。

今日は泊まり客もいないだろう。




ロープウェイ乗り場が見えました。この天候ではスキー客もいません。

戻ってきました。

無事、下山。とても喜んでいる顔です。

ロープウェイは貸し切りでした。係の方とお話しをして、ひさしぶりに人と話したなと実感する。4月2日からはロープウェイはしばらくお休みになりますので、今回のルートは歩けなくなります。バスで茅野駅まで1時間。

バスも貸し切り状態でした。ほんとうにたった独りの山行でした。

茅野駅で山菜蕎麦をいただく。いつになく美味しかった。

「黒百合ヒュッテ〜中山〜高見石〜丸山〜麦草峠〜大石峠〜茶臼山〜縞枯山」。たった独りの雪山縦走でした。こんな経験は二度とないのではと感じました。山と身体と静かに静かに対話していました。この体験を自身のやるべきことに生かしたい。
今回は、初日の天狗岳での滑落の危険。2日目の遭難などを痛感した山行になりました。いま一度、「初心忘るべからず」を大切にしていきたいと思います。山は学べます。山に感謝いたします。
…10日。東京は桜も満開になりすっかり春の陽気ですが、まだまだ雪が恋しいわたしは、11日からこの冬5回目の北八ヶ岳を計画しています。11日。街では雨ですが、山は雪になるようです。次回はアイゼンとピッケル、そして、ワカンが必要かもしれません。まだまだ山は雪です。慎重に攻めたいと思います。とてもとても楽しみです。
今回は、初日の天狗岳での滑落の危険。2日目の遭難などを痛感した山行になりました。いま一度、「初心忘るべからず」を大切にしていきたいと思います。山は学べます。山に感謝いたします。
…10日。東京は桜も満開になりすっかり春の陽気ですが、まだまだ雪が恋しいわたしは、11日からこの冬5回目の北八ヶ岳を計画しています。11日。街では雨ですが、山は雪になるようです。次回はアイゼンとピッケル、そして、ワカンが必要かもしれません。まだまだ山は雪です。慎重に攻めたいと思います。とてもとても楽しみです。