2011年10月

2011年10月28日

15日。いよいよ「石橋+Shakkyou」本番。朝、能BOXに着くとすでに入口はお客様を迎える準備ができている。

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さっそく、反射版がついた能BOX仕様のスピーカーを能舞台•橋掛りの上にセッティング。

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そして、能舞台の右中央側面にもセッティング。能舞台にうまくとけ込んでいる。

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能舞台の手前のメイン•サブウーファーと並んでもいい感じです。

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今回、仙台のコントライブさんにご用意していただいたウーファーJBL728。460mmのユニットが2発。すごいエネルギー感です。音の出どころを感じさせないようにユニットを下に向ける。わたしの演奏する横にあるので、わたしが一番体感できるのかな…少しご機嫌です。感謝です。

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卓はallen&heath。メインスピーカーとサブウーファー、天井の二重の塔アンビエントスピーカー、能舞台の反射版のついた能BOX仕様のスピーカー、そして、わたしの横にあるウーファー。すべて卓で演奏できるようセッティングしていただく。アシスタントの岸本さんがチェック。

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森山さんが能舞台を感じる。津村さんの描いた松が見守る。

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津村さんも場を感じる。わたしも音を奏でる。反射版のスピーカーは位置を変えて大成功でした。いい音の空気感をつくることができました。田口さんと岸本さんと「よかった」と目を合わす。

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今日は2回公演。津村さんは「石橋」と「Shakkyo」を舞います。本番前、最後に「Shakkyo」の石橋の情景を描く津村さんの瞑想。

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昼の部の本番。工房長の八巻さんのご挨拶。心あたたまるお言葉。いいな…と。わたしは重低音による生命の大地のエネルギー感も表現するので、地震のフラッシュバックが心配でしたが、工房長の粋な取り上げ方で笑いが起こりました。岸本さんが笑顔でうなずく。

能作品「石橋」。津村さんの圧倒的な存在感。場を静め高める。わたしの心も身体も晴れわたる。集中する。

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続いて作品「Shakkyo」。オープニング。石橋の情景を描く。森山さんも津村さんも能舞台で音の存在を感じることができているようです。ホッとする。最後は当初の構成ではない終わり方に…が、夜の部もこの構成でいくことになりました。今回、照明はせんだい演劇工房10-BOX工房長 八巻寿文さん。舞踏家の故•大野一雄さんが仙台に来られた時は必ずピンで振っていられたそうです。照明はすべてLED仕様の能BOXオリジナル。震災前につくられたそうです。音響システムも能BOXオリジナルになるといいですね。公演後に写真家の森田拾史郎さんに「もっといってもいいのでは」と声をかけていただく。

夜の部。お客さまが入る。東京からもわたしの友が何人か駆けつけてくれました。ありがとう。

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津村さんの「石橋」で空気が澄む。そして「Shakkyo」。津村さん、森山さん、お客さま、関係者、場、すべてを感じて音を奏でる。静かで力強い音。津村さんの森山さんの身体に音のかたまりをぶつけていく。曼荼羅の世界観ではせめてせめてせめる。津村さんと森山さんとたたかい調和する。そして、その場にいるすべての人たちと一体になる。鳴り止まない拍手。震災後に実現した公演。心から感謝いたします。ふたりの最高の笑顔。皆も笑顔で応えている。

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公演後に、わたしが客席にいるのか、舞台に立っているのかわからなくなったと声をかけていただく。とても嬉しかった。お客さまとも調和できたのかな。励みになります。しかし、気分の悪くなられた方もいらっしゃったと聞く。あまりにもクリアな音だった。良くもあり悪くもある。今後の課題にしたい。

音響システムの搬出が終わり。田口さんを岸本さんと見送る。この音を作品を実現させていただいた田口さんに心から感謝いたします。田口さんの存在が力をかしてくれました。結局、わたしと岸本さんが最後に会場を後にする。せんだい演劇工房10-BOXの皆さんが見送ってくれる。感激です。音を奏でること、公演することに集中させていただきありがとうございました。ほんとうに心美しく力強い方たちでした。また、きっといつかご一緒できるよう精進したいと思います。

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打上げ会場に着く。津村さん、森山さん、橋爪さん、大脇さん、橋爪さんをはじめ、仙台市文化振興課の中井さん、関係者の方々が笑顔で迎えてくれる。皆とてもいい顔です。楽しい時間。

また、津村さん、森山さんと新しい作品でご一緒できて幸せでした。「Shakkyo」。佐渡での薪能版とは異なるが深く結ばれた静かで力強い作品になった。津村さんの存在はわたしたちに勇気を与えてくれる。森山さんはとてもイメージが大きく深い方です。森山さんに触れることでわたしは成長させていただいている。まだまだです。また、おふたりとたたかえるよう心も身体も音も高め磨いていきたいと思います。このような機会を与えていただき心から感謝しています。また、皆と会えることを楽しみにしています。ありがとうございました。




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2011年10月23日

14日10時。新幹線で待ちに待った仙台に到着。タクシーで能BOXに向かう。もう紅葉がはじまっている。すでにTaguchiの田口和典さんが車で音響システムを運んで笑顔で迎えてくれました。

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約1ヶ月ぶりの能BOX。担当の高橋さん、舞台監督の石井さん、音響担当の山口さん、工房長の八巻さんと再会する。嬉しい。そして、もう会場つくりがはじまっている。感謝です。能舞台を撮影する岸本友恵さん。

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さっそくスピーカーをセッティング。能舞台にぴったりの80mm+130mmフラットユニットの反射板のついたスピーカーを会場のセンター床下にセッティング。

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能舞台の左奥、橋掛りの手前に80mm×16発フラットユニットのメインスピーカーと300mmのフラットユニットのサブウーハーをセッティング。能舞台にとけ込んでいるようです。

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能舞台の右手前にも80mm×16発フラットユニットのメインスピーカーと300mmのフラットユニットのサブウーハーをセッティング。壁を黒幕で包むのでもちろん音は吸い込まれる。

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そして、80mm+130mmフラットユニットの二重塔アンビエントスピーカーを天井から吊るす。

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客席後方の左。

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客席後方の右。

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Taguchiスピーカーが仙台の能BOXにプラニング。感激です。田口さん、主催者さまに感謝いたします。アンプは田口さんが開発した太陽光発電&バッテリーを使ったポータブルソーラーシステム。静かでクリアな電流。ほんとうに優れものです。仙台のコントライブの斉藤さんがさらに460mm×2発の強力なウーハーを用意してくれたのですが、これも軽々と奏でられる。

田口さんと音つくり。倉庫の響きを感じる。コントライブの音響家•寶玉浩太朗さんが大活躍。彼がいなかったらと思うと…ありがとうございます。リアルな音の空気感をつくっていく。最高に楽しい時間。

舞台上では津村禮次郎さんが舞う能作品「石橋」の牡丹を津村さんと森山さんがつくっている。

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まだまだ音をつくりながら作品「Shakkyou」の場当たり。オープニング。津村さんとわたしの音で石橋の情景を描く。森山さんが風を呼ぶところでは、三浦秀彦さんにデザインしていただいたMAX/mspのパッチも使用する。

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森山さんのシルエット。津村さんが立ち、わたしが音を奏でる。森山さんは全体を観て感じる。能BOX。素敵な場です。しかし、津村さんも森山さんも舞台上でわたしの音をあまり体感できていない様子。明日が勝負です。

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今夜は主催者さまが用意してくれた作並温泉の岩松旅館に泊まる。森山さん、津村さん、衣装の大脇幹裕さん、プロデューサーの橋爪さん、アシスタントの岸本さん、そして、わたしでお食事。とっても楽しい時間。森山さんがわたしにもっとせめて欲しいと言う。

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食事の後に岸本さんと打合せ。能舞台にはもちろん屋根がある。天井からの音は届かない。音をつけ加えるのではなく、田口さんとも話していましたが、反射板のスピーカーの位置を変えることで、舞台上に音を不可視の身体として存在できる。岸本さんは心強いです。明日が楽しみです。




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2011年10月14日

10月15日。

仙台の能BOXにて、ダンサーの森山開次さんと能楽師の津村禮次郎さんとの、新作「Shakkyou」で音楽を担当させていただきます。

この作品は、7月に公演予定でしたが、3月11日の震災により10月になりました。この公演が実現されたこと心から感謝いたします。

今回もTaguchiスピーカーを導入させていただき、音響家の田口和典さんとご一緒にリアルな音の空気感を奏でたいと思います。

せんだい演劇工房10−BOX別館「能-BOX」開館記念

石橋+Shakkyou -津村禮次郎×森山開次

  

[演目]
◎古典作品「石橋(しゃっきょう)」(半能) 約25分
獅子:津村禮次郎 寂昭法師:安田登
笛:成田寛人 小鼓:幸信吾
大鼓:佃良勝 太鼓:徳田宗久 後見:伊藤嘉章
地謡:中所宜夫、鈴木啓吾、坂真太郎、桑田啓吾

◎創作作品「Shakkyou」 約30分
演出・振付・ダンス:森山開次
舞と謡:津村禮次郎
音楽:種子田郷
音響デザイン:田口和典
森山開次衣裳:大脇幹裕

協賛:Taguchi、ON-COO PROJECT

◆日時:2011年10月15日(土) 全2回公演
1回目14:00開演(開場13:30) 2回目18:00開演(開場17:30)
※1回目2回目とも完売しました。当日券はありません。
 キャンセル待ちのご登録ができますので、ご希望の方はご連絡ください。
◆会場:せんだい演劇工房10-BOX別館「能-BOX」

仙台の地でお会いできるのを楽しみにしております。




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2011年10月13日

12日。新宿の新宿村スタジオで「Shakkyo」のリハーサル。津村禮次郎さん、森山開次さん、大脇幹裕さん、橋爪さん、岸本さん、三宅流さん、そして、写真家の森田拾史郎が参加。会場に入る前に、東京での最後のリハーサル。最後の通し。

「Shakkyo」は能の「石橋」が題材になっているのですが、佐渡で公演された薪能版「Shakkyo」とは異なるあたらしい作品になりました。わたしが山に立って感じた身体の静けさ…静かな力強さを感じる作品になりました。とても嬉しいです。

14日は会場入り。能BOXであらためて音つくり。そして、作品つくりです。ほんとうに楽しみです。



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2011年10月12日

11日。新木場の田口和典さんの工房に伺う。15日。仙台の能BOXで公演する作品「Shakkyo」に、Taguchiのスピーカーを導入していただくことになりました。電子音楽にとって音響システムは豊かな表現のための楽器です。実現させていただいた田口さん、主催者さまに心から感謝いたします。

本日は、機材の選択、サウンドチェック、そして、リハーサル兼ねてお時間を取っていただきました。自宅スタジオもTaguchiのフラットユニットのメインスピーカー4本、REXのアンビエントスピーカーが8本、そして、サブウーファーが1本ととても贅沢な環境で奏でていますが、やはり大きなスペースで、本番用のスピーカーを使用すると音の感じ方も変わってくる。会場入りしてからも音つくりをしますが、それまでにさらに音を磨く必要があると痛感させられました。会場入りするまでにとても貴重な時間でした。

アンプは純粋なソーラー電源のため、音の質がほんとうにクリアーでリアルな音の空気感を奏でられる。仙台にもこのアンプを持っていっていただけるとのこと。心強いです。田口さんとの音つくりはとても楽しい。田口さんから「種子田さんは僕とやればいいね」と言っていただき感激です。ありがとうございます。

結局、80mm×16発のフラットメインスピーカーを2本、80mm+130mmの二重塔アンビエントスピーカーを2本天井から吊るすことになりました。仙台でも460mm×2発のサブウーハーを2本とアンプを用意していただけますが、こちらからも300mmのフラットユニットのサブウーハーを2本持っていくことになりました。そして、センター床下にあらたに80mm+130mmの反射板のついたアンビエントスピーカーを2本プラニングすることになりました。これがすごかった。これまでにあまり経験したことのない衝撃を受けました。この小さいボディからは想像がつきません。

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デザイン的にも能舞台にとても相性がいいと思います。倉庫の響きを最大限に生かせそうなスピーカーです。まさに能BOX仕様です。能BOXで奏でられることほんとうに楽しみです。

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今回、田口さんとご一緒に音つくりができることに感謝しつつ、しかし、今日のリハーサルで課題も見つかりました。まだまだ本番まで音つくりに集中したいと思います。




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