2007年05月05日

4月21日。国立能楽堂に緑泉会別会「津村紀三子33回忌追善会」を観に行く。三宅流さんのドキュメンタリー映画「面打」のイベントで、共演させていただいた津村禮次郎さん(森山開次さんの作品「弱法師」「OKINA」でもご一緒しました)と中所宣夫さんが出演していました。

能の会は4時間ぐらいあり、時々記憶がなくなるのですが、能「清経」で平清経を演じた中所さんの力強く切れ味鋭い舞に目が覚めました。大倉正之助さんの大鼓も堪能しました。また、狂言は「魚説法」で野村萬斎さんと野村万之介さんの絶妙な間を楽しみました。私はいつも萬斎さんのとぼけたキャラクターを楽しみにしています。

そして、能「正尊」では津村さんが土佐坊正尊を演じました。源頼朝の刺客で義経を暗殺する役です。いつもは能面をつけていつの間にかそこに存在する(ほんとうに知らぬ間に…)津村さんが、素顔にメイクをした強面で数人のお供を連れて登場。弁慶との派手な格闘シーンに、能もこのような演出があるのかととても新鮮でした。津村さんの大木のような立ち姿はとても美しかった。また、戦いに敗れて死んでしまう役を演じた方たちの前宙返りや、首と背中をピンと張ったまま後ろに下がり真っ直ぐ倒れる身体に驚かされました。終演後に死に役を演じた方とお話しできたのですが、訓練という言葉を使われていました。これまで何人かの方が、本番や練習中に首の骨を折ったこともあるそうです。淡々と演じていても鬼気迫るものが伝わりました。

能の会が終った後に打上げがあり参加したのですが、あらためて、津村さんの大きく深い心に触れ感激しました。また、そのうちご一緒できるのを楽しみにしています。また、津村さんと作品をつくられたことのあるアレッシオ・シルベストリンさんと久しぶりに会えました。お互いがお互いの作品に何度か触れていて、顔を合わせるたびに何かをしようと話していましたが、今日、このタイミングで会えたのは縁なのだろうと強く感じました。後日、会う約束をする。楽しみです。

本日は「津村紀三子33回忌追善会」の会ということもあって、津村紀三子さんの写真集をいただく。木のような存在感。こんな静かで力強い人になりたいです。

at 03:42│コメント(0)トラックバック(0)go taneda │

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